市政レポートVol.5|芦屋市議会議員|はせ基弘(長谷もとひろ)

市政レポートVol.5 2017年/歴史建築編
戦後の石造ブロック・組積造!貴重な建物が残る!
宮塚町の市営住宅は解体せず、有効利用される!

最近、芦屋市を褒めることが少なくなりましたが、これには絶賛!建造物に込められた歴史が残せる!謎の多い建築!

市政レポートVol.5 2017年/歴史建築編
   施行は昭和27年、設計者は不明。
壁が石造でスラブがRCの2階建てです。建築の専門家なら不思議な建物であることは一目瞭然。建築基準法上でこれが組積造だとすると、戦前・戦後を通して集合住宅の構造としては極めて異例中の異例の建物になります。
建築基準法施行令第51〜61条に組積造の規定がありますから一定の建築物は可能であったとしても、構造的に不利で施工も面倒で費用もかかる。石造をあえて採用している不思議な建物なのです。それが実在しているのです。しかも市営住宅だから画期的な事を芦屋市はやっていたのです。「これは文化財級の貴重な建築だ」と建築の専門家は語ってくれました。

設計者は誰だろう・・・

市政レポートVol.5 2017年/歴史建築編   構造分野で有名な京都大学の棚橋諒(たなはしりょう)先生。京都タワーの構造設計などを手掛けた「棚橋諒のブロック造」ではないかと噂されていますが、確証はありません。
写真でも解るようによく見ると石材の間にコンクリート層が存在することに気づきます。また、スラブ(床・屋根)は鉄筋コンクリート(RC)造なのです。 法令第51条第4項で芋目地は禁止とありますから、石材間のコンクリート層は何か構造的な役割を持っている可能性もあるのです。見れば見るほど、建築の専門家も不思議な建物と興味が沸くものなのです。

原形はどんな形だったのかは想像できます!

   南側の凸状の部分は後年に増築されたもので、浴室になっています。建築当初の物ではありませんから、これは解体する予定です。鉄骨造で外壁はALCであることは確認できました。


外観外観 突起した部分は建て増し分突起した部分は建て増し分

   使われている石は「凝灰岩」で地下のマグマが地殻内の地下深部にて冷却固結した結晶質の石材です。硬く、美しく、耐久性に富む石材として建築物の外部を中心として最も多く用いられている石材ですが、加工費がかさみ、含有鉄分でさび色が出たりはしますが、御影石と同種の石です。

リノベーションで完全復活を!

   全部で8戸、1戸当たりの床面積は40.16u。オリジナルはおそらくは木製の窓でしょうし、当時の写真などを参考に復活させて欲しいと思います。ダストボックスも当時の物ですし、階段は鉄骨が入っています。
建築当時は住宅として設計されたものですが、それを更に機能アップさせるリノベーションを行うことを期待しています。
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今後は??

  「今後の有効活用を考えて行きたい」と市担当者も残すことに熱心です。ざっと考えても色々と浮かびます。
  • 商業施設としてこだわりを持つ芦屋発のショップを集め、街づくりに貢献してもらう。
  • 公的なコミュニティー施設として運営する。
  • 駅に近いので子育て施設として保育園を運営するのもいい考えでしょう。
  • この建物の有効利用を公募する。市民に利用案を提案してもらう。
お願い
昭和27年の建設当時の写真をお持ちのかた是非、ご連絡ください。

市民と行政の英知を集めて、昭和の施設を甦らせよう!

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